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真夜中の電話
突然鳴り響く

真夜中の携帯

電話からは 彼の声


時計を見たら 午前1時半

「どうしたの? 眠れないの?」


私の言葉が 終わる前に

「退院できない・・・肺がんだった・・・」


しばらく 

彼の言っていることが 飲み込めず

「肺炎だったんじゃないの?」と 

聞き返す私・・・


「いや 違う・・・四期に入っていて

手術が できない


今日から 化学療法に 入った

このままでは 

全身に 転移してしまうので」

彼の一言を 聞くたび

頭の中を いろんな想いが 駆け巡る

「2週間 化学療法が 続くから

  日中は 連絡が できなくなる


HPに書いてもらっても

  返事ができない・・・

HPを見ることが できないから

なにか書くときは

  貴方に頼むから」


「うん わかった・・・

食べたくなくなると思うけど 

一生懸命食べてね」


「大丈夫・・・今日も 沢山食べたよ・・・

じゃあ そろそろ 戻らないと・・・

看護婦さんが 心配するから・・・」


「2週間 がんばってね」


「うん」


電話を切った瞬間 

体が震えて 涙が止まらなかった


私にしてあげられることは なに?

神様 彼の時間をとめないで


彼の命を 持って行かないで

お願いだから・・・



Music by 遠来未来